◆れきし
明治天皇皇后両陛下が京都からの帰路、長浜に行幸されるのを機に、実業家・浅見又蔵が私財を投じて建設しました。敷地は約6千平方メートル、建物は尾張産の総檜造り寄棟造の2階建て。「慶雲館」は、当時の内閣総理大臣・伊藤博文の命名によるものだと伝わっています。
庭園は、明治45年の行幸25周年を記念して、2代目又造がつくったもので、作庭は小川治兵衛。
その後は浅見氏の別邸、長浜の迎賓館として使われていましたが、昭和10年(1035)の国史跡指定に伴い長浜市に寄付されたものです。
◆見どころ
門構えをはじめとする全体に、天皇の行幸のために建てられたという歴史を感じられ、品格のある趣き。治兵衛(植治)作庭の池泉回遊式庭園は、築山・池泉・松・巨石・巨大燈籠が調和して、豪壮な雰囲気で、国の名勝に指定されています。かつては伊吹山や琵琶湖を眺望することができ、湖北の自然と文化が凝縮された空間を感じることができるでしょう。