三千院・勝林院・来迎院・連成院

たてもの探訪Ⅱ(山城88)  京都市左京区  2024年5月12日訪問 2025年2月21日公開

◆れきし

  大原の地は、最澄が比叡山延暦寺建立のさいに建立した草庵・円融房に始まります。元永元年(1118)に堀河天皇の皇子・最雲法親王(梶井宮)が入寺して門跡寺院となり、保元元年(1156)、ここに政所を置きました。

 すでに往生極楽院・来迎院・勝林院などが営まれており、室的時代には各宗派の坊舎が林立し、魚山大原寺(ぎょざんたいげんじ)と総称されるようになったのです。

 梶井門跡は江戸時代、将軍徳川綱吉から河原町御車小路に2万坪の寺地を与えられましたが、明治維新により大原政所に移り、明治4年(1871)に三千院と号するようになりました。

◆みどころ

 三千院の客殿・宸殿(大正15年)、往生極楽院(平安時代末)と、聚碧園・有清園など境内一帯から、天台の門跡寺院としての格式を誇る歴史を感じることができます。

 また、周囲に林立する勝林院(法然の大原問答で著名)、来迎院(良忍の墓所、本堂は16世紀再建)、蓮成院(江戸時代の建物と庭園遺構)などは、大原寺(たいげんじ)の塔頭・子院の伝統を受け継ぐ天台声明の聖地。四季折々、いつ訪れても呂川・律川のせゝらぎとともに、深遠な世界に誘われます。

(二村盛寧先生によるご案内の、まいまい京都ツアーに参加しました)

梶井三千院門跡

往生極楽院

往生極楽院


極楽往生院南門

勝林寺

実光院


実光院

来迎院

来迎院


来迎院良忍御廟

蓮成院

蓮成院


天明6年再板『都名所図会』百瀬ちどり所蔵